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製薬会社メーカーの新薬開発状況&ニュース

ここでは、製薬会社やメーカーの新薬開発状況など、製薬業界の気になるニュースをまとめてご紹介します。

目次
新薬開発状況ニュース

2024年3月の新薬開発関連ニュースのまとめ

AI創薬技術によって病気の原因になるタンパク質へ有効な化合物を発見

株式会社エクサウィザーズや第一三共株式会社の共同研究チームは、2024年3月にAI技術を活用した創薬プロジェクトにおいて、病気を引き起こすターゲットタンパク質に対して、有効な作用をもたらす化合物を取得したと報告しました。

参照元:EXAWIZARDS|エクサウィザーズ、第一三共と実施するAI創薬で成果、難易度の高い標的タンパク質に関するヒット化合物を短期で同定 〜AI技術と構造ベース創薬を組み合わせた効率的なワークフローを構築、超大規模スクリーニングで化合物選択まで2カ月で実現〜(https://exawizards.com/archives/26983/)

生成AIを使った技術で体内のタンパク質の状態予測を効率化

富士通と理化学研究所は人工知能を活用した生成AIシステムにより、治療薬がターゲットにするタンパク質が体内でどのような状態になっているのか、従来の方法よりも10倍以上の速度で予測できる技術を開発しました。これにより医薬品の開発期間も短縮できると期待されています。

参照元:日本経済新聞|富士通、生成AIで創薬速く たんぱく質状態予測10分の1(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC069NV0W4A300C2000000/)

2024年2月の新薬開発関連ニュースのまとめ

小野薬品工業が海外企業とAI創薬による共同研究を開始

小野薬品工業は2024年2月19日、アメリカのスタートアップであるインベニAIと、AI創薬技術の共同研究に関する契約を締結したことを発表しました。今後はインベニAIが病気の原因物質をAIによって特定しレシピを提案、それを受けて小野薬品が開発を担当するという役割分担が成されます。

参照元:日本経済新聞|小野薬品工業、AI創薬で米スタートアップと研究契約(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF197HR0Z10C24A2000000/)

2024年1月の新薬開発関連ニュースのまとめ

Google系列会社が複数の企業とAI創薬に関する戦略的提携を締結

2024年1月7日、Google社系のスタートアップであるイギリスのIsomorphic Labs社は、アメリカのEli Lilly社、またスイスのNovartis社を相手として、それぞれAIを活用した創薬技術についての戦略的提携を締結したと発表しました。これによりAI創薬による薬剤設計の研究が一層に進められます。

参照元:日経バイオテク|米Google社系、Eli Lilly社およびNovartis社とAlphaFoldベースのAI創薬で契約(https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/24/01/17/11510/)

2023年5月の新薬開発関連ニュースのまとめ

アンジェス、米アイガーから導入の早老症治療薬を申請

アンジェスは5月12日、乳児早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群とプロジェロイド・ラミノパチーの治療薬「ゾキンヴィ」(一般名・ロナファルニブ)について、厚生労働省に国内製造販売承認を申請したと発表しました。

米国では2020年に承認され、アンジェスは昨年5月に日本での独占販売に関する契約を締結しています。国内で使用が見込まれる患者数は数名程度となる見込みです。

アステラスが過去最高額で買収!
眼科新薬候補「ACP」の可能性とは?

アステラス製薬は5月1日、眼科領域の新薬を開発する米バイオ医薬品会社アイベリック・バイオの買収を発表しました。

これにより、「加齢黄斑変性」の新薬候補「ACP」をはじめ、アイベリック・バイオが持つ技術や開発ノウハウ、販売基盤などを獲得し、眼科領域の強化を図る見通し。

これまでアステラス製薬は抗がん剤や更年期障害治療薬候補の開発・販売に力を入れてきましたが、買収により、「ACP」を第3の柱として収益拡大、企業の成長を目指します。

JCRファーマとアンジェリーニファーマ
てんかん薬開発・商業化で連携

JCRファーマは5月11日、てんかん向け生物学的治療薬の開発・商業化に向けて、イタリアのアンジェリーニファーマと提携することを発表しました。

JCRファーマのバイオ技術への豊富な専門知識と、アンジェリーニの神経疾患に関する専門知識を融合させ、治療薬の共同開発などを行う見通し。アンジェリーニは、日本以外の国で商業化する独占的ライセンスのオプション権を、JCRは研究開発と販売のマイルストンと、売上高に応じたロイヤリティを受け取る権利を取得しました。

腎疾患治療薬バルドキソロンメチルの開発が中止

協和キリンは5月10日、糖尿病性腎臓病などを対象に開発を進めてきたバルドキソロンメチルの開発中止を発表しました。

治験でESRD(末期腎不全)の発現を抑制する結果が得られなかったためとしています。

これに併せて、2021年7月に行ったアルポート症候群を対象とした国内製造販売承認申請も取り下げ、当該効能についての開発も中止しました。

抗体薬物複合体BB-1701について
BlissBioと共同開発契約を締結

エーザイは5月8日、抗体薬物複合体(ADC)である BB-1701について、中国のBliss Biopharmaceuticalとオプション権を有する共同開発契約を結んだことを発表しました。

この契約によりエーザイは、一時金と開発マイルストンをBlissBioに支払うとともに、乳がんを対象としたP2試験を実施。中国、香港、マカオ、台湾以外での開発・商業化に関するオプション権を獲得します。

開発パイプライン情報まとめ

開発パイプラインとは、医薬品として販売される前段階の新薬候補のこと。どれだけ有望なパイプラインを持っているかによって、製薬企業の将来性が左右されるとも言われています。

こちらのページでは、2023年5月12日時点の製薬会社各社の開発パイプライン情報をまとめました(随時更新予定)。ぜひチェックしてみてください。

開発パイプライン情報まとめ
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アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が正式承認

2023年9月、日本の製薬会社エーザイとアメリカの製薬会社バイオジェンの共同開発で誕生した、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が厚生労働省から認知症治療薬として正式承認を受けました。9月時点で薬価は未定ですが、厚労省の諮問機関によって改めて薬価が決められる予定となっており、高額療養費制度の適用も見込まれています。

レカネマブ
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考察

新薬開発の課題を
解決するならAIの導入が近道

2023年、製薬業界では国内外でさまざまなニュースが続いています。

新薬開発で各企業が抱える開発スピードの向上・成功率アップなどの課題を解決するなら、AIの導入がおすすめです。

こちらのページでは、創薬のフェーズごとにAIの活用事例を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

取材協力
FRONTEOの公式サイトキャプチャ

引用元:FRONTEO公式HP
(https://www.new-dd.com/wp/wp-content/uploads/novel-targets-library_20240530.png)

自然言語AI+バイオロジストが課題を解決

FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」は、AIを活用して、創薬プロセスの効率化・高速化を支援するソリューションです。基礎研究・標的探索・仮説生成といった創薬の初期段階において、大手製薬企業出身のバイオロジストが自社開発の自然言語AI「KIBIT」を活用し、重複差分解析や2次元マッピング解析、ベクトル加算解析など独自の解析を実施。顧客のオーダーにあわせた標的分子・バイオマーカー・MoA・新たな適応症の提案などをスピーディーに行なってくれます。