アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が正式承認
レカネマブとは
国内の製薬会社であるエーザイと、アメリカの医薬品メーカーであるバイオジェンが共同開発した、アルツハイマー病の患者に対する治療薬(認知症薬)であるレカネマブ。アルツハイマー病の発症リスクを高める原因タンパク質「アミロイドベータ」を除去して、認知症の進行を抑制するとして、アメリカで先んじて軽度認知症障害の治療薬として承認されていました。
そして2023年9月25日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第1部会は日本国内においてもレカネマブをアルツハイマー病治療薬として正式に承認されています。
海外での価格
レカネマブを含めた抗体医薬は、一般的に薬価が高額になります。先んじて承認されているアメリカではレカネマブの治療として、日本円換算で1人当たり年間およそ380万円(2万6500ドル)がかかるとされています。
一方、日本国内ではレカネマブの正式承認は行われたものの2023年9月時点では薬価が決定していない点に注意が必要です。
厚生労働省の正式承認によって保険適用によるレカネマブ治療が可能になったことから、価格については改めて厚生労働省の諮問機関である「中央社会保険医療協議会」が薬価について検討して決定する予定になっています。
日本国内でも、患者には相応の費用負担が想定されています。高額療養費制度が適用される場合、患者負担はある程度まで軽減されると予想されます。
国内外の認知症分野の創薬状況
アルツハイマー病の治療薬はレカネマブの他にも様々なものが国内外で研究されており、2023年9月26日、アメリカの製薬会社イーライリリーはアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」について厚生労働省へ製造販売の承認を申請しています。
ドナネマブはレカネマブと同様にアルツハイマー病の原因物質を除去する作用機序を備えているとされており、厚生労働省による承認の可否は2024年に発表される見込みです。
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