非臨床試験(臨床前試験)
非臨床試験(臨床前試験)の課題を解決する方法としては、動物実験の結果をもとにヒトへの効果を予測するAIの導入などが進められています。
しかし、創薬開発の効率化・高速化・コスト圧縮を目指すなら、基礎研究や仮説生成のフェーズでAIを導入するのがおすすめです。
ここでは、非臨床試験(臨床前試験)における課題と解決法について解説します。
創薬における非臨床試験(臨床前試験)とは?
臨床試験の前に行われる動物実験
非臨床試験(臨床前試験)とは、ヒトに対する試験・治験(臨床実験)を開始する前段階で行われる実験のこと。新しい医薬品、バイオ医薬品、医療機器開発などの初期段階で行われます。
一般的には実験動物や細胞などを用いて行われ、試験薬剤の安全性、効力、毒性、代謝特性、生物学的相互作用、生産性などのデータが収集されます。
非臨床試験の結果は、後に行われる臨床試験の設計に大きな影響を与えるため、非常に重要です。試験は、法的規制のもとで行われ、実験結果は、医薬品開発の申請や許可に使用されることがあります。
創薬における非臨床試験(臨床前試験)の主な課題とは?
非臨床試験と臨床試験の結果が一致しない
非臨床試験では、主に動物実験が行われますが、動物と人間では生物学的特性が異なる上、動物自体にも個体差があり、薬に対する反応が異なります。このため、疾患モデルが正しく反映されておらず、臨床試験の結果を確実に予測することができません。
しかし、AIを導入して、創薬初期段階から結果を予測できれば、効率の悪い化合物を開発候補からあらかじめ除外することが可能です。
創薬プロセスの効率と確実性を高められ、期間短縮、コスト削減を期待することができます。
期間が長期化し、費用が高額に
非臨床試験では、正確で信頼性の高いデータを生成するために、正確に実験手順を踏み、適切な試験装置や試薬を使用し、データを正確に記録しなくてはなりません。
しかも、薬を使い続けた際の影響なども確認するため、安易に期間を短縮化することはできないのです。
また、せっかく長い時間をかけても、実験の結果うまくいかなければ、実験はやり直し。このため、創薬期間の長期化と費用の高額化が課題となっています。
さまざまなAI導入が進む中、注目したいのは…
~「New-drug-discovery」編集チーム(Zenken)より~
これらの課題を解決するために、生体内反応をデジタルで可視化する技術などで知られるベンチャー企業Karydo TherapeutiX社と国際電気通信基礎技術研究所は、動物実験の結果をもとに、人への効果・副作用を予測するAIを開発。各所で導入が進みつつあります。
しかし、さらなる創薬開発の効率化・高速化・コスト圧縮を目指すなら、もっと前段階であり、時間と労力が最もかかる基礎研究や仮説生成のフェーズにも目を向けるべきでしょう。
下記のページでは基礎研究や仮説生成の効率化、高速化、コスト圧縮につながるAIを開発する企業について特集しています。ぜひチェックしてみてください。
自然言語AI+バイオロジストが課題を解決
FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」は、AIを活用して、創薬プロセスの効率化・高速化を支援するソリューションです。基礎研究・標的探索・仮説生成といった創薬の初期段階において、大手製薬企業出身のバイオロジストが自社開発の自然言語AI「KIBIT」を活用し、重複差分解析や2次元マッピング解析、ベクトル加算解析など独自の解析を実施。顧客のオーダーにあわせた標的分子・バイオマーカー・MoA・新たな適応症の提案などをスピーディーに行なってくれます。