創薬強化の要となる先端創薬機構

目次

先端創薬機構構想とは

先端創薬機構構想とは、グローバルに利用できる創薬センターのこと。創薬エコシステムの構築を目指す上で欠かせない施設です。2023年12月に行われた「創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議」の初会合で提案されました。設立の狙いは、現状不十分であるスタートアップへの資金面・人材面での支援を手厚くすることです。「治療標的の評価」や「開発候補品の創製」、「早期臨床試験準備期間」を資金面・技術面・運営面の多方向から総合的にサポートする仕組みを想定。対象には革新的新薬創出に向けて起業を目指すアカデミアやスタートアップが選抜されています。

政府からは資金不足が指摘される中、設立を目指す構成員からは国の予算や民間からの資金調達の活発化による実現の見通しが発表されました。資金支援には国費や民間企業資金、認定ベンチャーキャピタルやAMEDによる資金の利用を想定。AMEDはスタートアップ支援を除く、運営費や人件費、アカデミアの研究費などを支援する方針です。

AMEDの課題

AMEDは医療分野の研究開発、環境整備を担う国立研究開発法人です。先端創薬機構構想を資金援助する企業としても名前が挙がっています。会合の中ではそんなAMEDに対する予算不足の問題が指摘されています。バイオ創薬研究や高品質な薬の開発・製造に必要な費用は年々高額化。創薬に必要な基礎研究・創薬研究・初期臨床試験すべての段階でさらに費用が必要であると課題提起されています。その額は創薬全体で400億円、バイオ創薬にはファーストインヒューマン試験までに1製品あたり10~100億円。国内創薬力強化に向けては、研究開発・製造支援やベンチャーキャピタルからの支援によりこの予算不足の問題を解消していく必要があるとしています。

先端創薬機構の設立・運営費用

設立や運営にかかる費用は、インキュベーター設立で500~1,000億円。年間の運営費用は300億円が見込まれています。運用資金にはAMED資金の流用や薬価改定費用の流用などを財源とする予定です。製薬会社が投資の回収を見込めるエコシステムをつくることで、企業にとっても薬を使う人にとっても利のある創薬環境を目指しています。

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取材協力
FRONTEOの公式サイトキャプチャ

引用元:FRONTEO公式HP
(https://www.new-dd.com/wp/wp-content/uploads/novel-targets-library_20240530.png)

自然言語AI+バイオロジストが課題を解決

FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」は、AIを活用して、創薬プロセスの効率化・高速化を支援するソリューションです。基礎研究・標的探索・仮説生成といった創薬の初期段階において、大手製薬企業出身のバイオロジストが自社開発の自然言語AI「KIBIT」を活用し、重複差分解析や2次元マッピング解析、ベクトル加算解析など独自の解析を実施。顧客のオーダーにあわせた標的分子・バイオマーカー・MoA・新たな適応症の提案などをスピーディーに行なってくれます。