論文解析
論文での情報収集でこんな悩みを抱えていませんか?「研究テーマに合う論文がなかなか見つからない…」「新しい発見やアイデアをもたらすような論文に出会えない…」「論文を解釈・分析する時間がない…」。
創薬の基礎研究において、論文から有益な情報を得るのは非常に大事な作業ですが、実際のところ膨大な数の論文から自分が求めている情報にピンポイントで即アクセスするのは、不可能に近いと言わざるを得ません。
こうした論文の情報収集における課題も、AIの技術を活用すれば、大幅な効率化を図ることができます。ここでは、論文検索・解析における課題を整理しつつ、AIを使った解決方法、ソリューションになりえるサービスを紹介します。
創薬における
論文解析の課題とは?
求めている情報にアクセスしにくい
研究者が頻繁に利用する論文データベースといえば、アメリカのNCBI(国立生物科学情報センター)が運営している生物医学領域論文データベース「PubMed」でしょう。
「PubMed」は世界中の医学系雑誌に掲載された3000万報以上の論文が掲載されているうえ、データベースの更新頻度が非常に高く、リアルタイムで最新の論文情報にアクセスできます。基本的に無料で閲覧できるとあって、製薬企業はもちろん、大学の研究機関などでも利用されています。
これだけの論文が掲載されているのは喜ばしいことではありますが、一方で「求めている情報にアクセスしにくくなっている」という問題も起きています。
例えば、キーワード検索しても既に知っている論文ばかりが表示されてしまったり、キーワードは合致していても研究テーマとの関連性が乏しかったり…。また、本当に関連があるかどうかを調べるには、1つ1つの論文のアブストラクト(論文要旨)をチェックしなければいけないため、作業時間も長くなりがちです。
キーワード検索が大きな障壁の1つに
そもそも創薬という「新しい薬を創る」という文字通り新しい可能性を切り拓く仕事においては、多くの研究者は既知の情報はもとより、新しい気づき・アイデアをもたらす情報を求めています。
しかしながら、PubMedなどの論文データベースでは基本的にはキーワード検索が主流となるため、研究者が「知っている範囲でしか探せない」という弊害が起きています。そうなると、情報の取得範囲は限定的になり、網羅的で客観性のある情報収集は難しくなります。
研究者の知見は創薬において欠かせないものですが、その知見がバイアスとなり、論文情報から「新しい気づき・アイデア」を得られにくくなっているのです。なかでも「キーワード検索」という行為が網羅的な情報探索を難しくしている、大きな障壁の1つになっていると言えるかもしれません。
AIなら新しい発見をもたらす網羅的な情報収集が可能に
~「New-drug-discovery」編集チーム(Zenken)より~
ここまで見てきたような「求めている情報にアクセスしにくい」「新しい気づき・アイデアが得られない」といった課題はAIを導入・活用することで解決が可能です。そもそも、PudMedに掲載されている論文は3000万報以上もあり、かつ日々更新されるその論文情報を研究者個人が把握しておくことは実質不可能であり、AIの導入・活用は必須とも言えます。
当メディアを運営する「New-drug-discovery」編集チームでは、これらの課題を解決するAIサービスとして、FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」に注目しました。キーワードではない“概念検索”を可能にする論文探索AI「KIBIT Amanogawa」という画期的なアプリケーションを持つだけでなく、基礎研究やターゲット探索といった新薬開発の初期段階におけるプロセスを効率化・高速化する創薬支援サービスを展開しています。
以下、そのアプローチを詳しく見ていきましょう。
FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」とは?
5つの解析手法でスムーズな創薬を支援
FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」とは、下記の5つの解析手法を用いて、従来の人の手ではアプローチしきれなかった課題をAIの活用によって解決し、創薬プロセスの大幅な効率化・高速化を支援してくれるサービスです。
- 重複差分解析
- Virtual Experiments
- 多面的解析
- 二次元マッピング解析
- ベクトル加算解析
近年の創薬研究は、患者の疾患データや、蓄積された膨大な分子・遺伝子情報などから必要な情報を探索・分析することが不可欠ですが、「Drug Discovery AI Factory」では新規性・成功確率の高い標的候補を短期間で選定できるだけでなく、その標的に関する仮説もあわせて提案してくれます。
論文に記載のない繋がりも可視化
例えば、論文探索AI「KIBIT Amanogawa」を使った二次元マッピング解析では、注目する細胞機能等と概念的類似性の高い遺伝子を抽出し、プロット。そのうえで、遺伝子同士がオーバーラップしているエリアに含まれる遺伝子群をAIで洗い出し、そこから基礎研究や仮説生成につながるヒントが得られます。
論文に直接記載していないような遺伝子のつながりも予測して可視化されるので、新しい気づき・アイデアが欲しい研究員にとっては非常に価値のある解析手法と言えるでしょう。
「KIBIT Amanogawa」とは?
仮説やアブストラクトなどの“概念検索”が可能
「KIBIT Amanogawa」は、自社開発の自然言語AI「KIBIT」を用いた論文探索AIアプリケーション。キーワードだけでなく、仮説やアブストラクトなどの“概念検索”が可能で、PubMedの膨大な論文情報から欲しい情報や関連情報を一瞬にして抽出・分類し、位置情報として「Space Map」にプロットしてくれます。
マップ状に表示されるので、視覚的・網羅的に情報を捉えることが可能。1つ1つの論文を読み込むだけでは気づけない、意外な関連性・類似性を発見することもできます。
処理の軽さ、利便性の高さも魅力
これまでの自然言語AIはシソーラス(辞書)の管理・メンテナンスが手間になりがちでしたが、「KIBIT Amanogawa」はベクトル演算によるAI解析を行うため、辞書が不要。さらに近似式を用いた技術を活用するため、スーパーコンピュータなどの大型設備は必要なく、通常のPCがあれば使用できます。
実際に導入した研究機関からは「1日がかりだった論文検索作業が1時間程度で行なえるようになった」という声もあがっています。申し込みから最短で約1週間での利用開始ができるので、論文探索の悩みを解消したい方はぜひ試してみてください。
自然言語AI+バイオロジストが課題を解決
FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」は、AIを活用して、創薬プロセスの効率化・高速化を支援するソリューションです。基礎研究・標的探索・仮説生成といった創薬の初期段階において、大手製薬企業出身のバイオロジストが自社開発の自然言語AI「KIBIT」を活用し、重複差分解析や2次元マッピング解析、ベクトル加算解析など独自の解析を実施。顧客のオーダーにあわせた標的分子・バイオマーカー・MoA・新たな適応症の提案などをスピーディーに行なってくれます。