AI創薬で開発スピードはどう変わる?

新薬やワクチンの開発は「早くても数年はかかる」と言われる中、新型コロナウイルスのワクチンは1年ほどで開発・承認されました。なぜ先のコロナ禍では、早くワクチンを開発できたのでしょうか。

目次

新薬・ワクチンの開発スピード

エボラ出血熱

アフリカを中心に猛威を振るい、一度の流行で1万人以上が亡くなったエボラ出血熱。2014~2016年の流行ではワクチンの対応が遅れたため、感染時の致死率は最大で90%にものぼりました。このことから「人類史上最も危険なウイルス」とも言われています。

このエボラウイルスをきっかけに、次のパンデミックに向けた検討と計画が始まりました。未知の感染症に対し、できる限り最短時間で人にワクチンを投与できるようにする研究が今も続けられています。

SARS・MERS

2002年~2003年に流行した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」や2012年頃に地域的に流行した「MARS(中東呼吸器症候群)」もコロナウイルスの一種です。動物からヒトへと感染範囲を広げようとする性質があったことから、ウイルスの生物学的特徴や活動の仕方について研究がすすめられました。

これにより「スパイクたんぱく質」が弱点であることが突き止められたため、新型コロナウイルスの迅速なワクチン開発につながったのです。

COVID-19

新型コロナウイルスのワクチンは、SARSやMERSの流行を機に、20年以上も前から土台となる研究が行われていました。それに加えて基礎研究や非臨床研究、臨床研究が平行して行われ、さらに承認を得るための審査を「特別承認」として異例の速さで認可されたために、全体でかかる期間を縮めることができたのです。

エボラ出血熱が流行した当時の反省を踏まえ、パンデミックに向けた事前の取り組みがされていたことが功を奏したと言えます。

新薬・ワクチン開発スピードと安全性

新型コロナウイルスのワクチン開発は、遺伝子を調べる技術革新や長年のmRNAワクチンの研究が以前から進められていたことによってできたものでした。必要な工程や手順を省いてつくられたわけではありません。

あらゆる感染症に対応できるワクチンの土台となるように、かなり前から予測や計画が立てられ、活かされてきた結果と言えます。

新型コロナウイルスの流行により、ウイルスの進化メカニズムをAIで分析しようとする研究が活発になってきています。すでにウイルスの進化シミュレーターの開発が進められており、今後、どのような感染症や病気が発生するか?という予測にAIが活用される日は当たり前になると言えるでしょう。

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取材協力
FRONTEOの公式サイトキャプチャ

引用元:FRONTEO公式HP
(https://www.new-dd.com/wp/wp-content/uploads/novel-targets-library_20240530.png)

自然言語AI+バイオロジストが課題を解決

FRONTEOの「Drug Discovery AI Factory」は、AIを活用して、創薬プロセスの効率化・高速化を支援するソリューションです。基礎研究・標的探索・仮説生成といった創薬の初期段階において、大手製薬企業出身のバイオロジストが自社開発の自然言語AI「KIBIT」を活用し、重複差分解析や2次元マッピング解析、ベクトル加算解析など独自の解析を実施。顧客のオーダーにあわせた標的分子・バイオマーカー・MoA・新たな適応症の提案などをスピーディーに行なってくれます。